​エジソン先生のリチウムイオン電池講座

偉大な発明家、トーマス・エジソンは色々な発明、発見をしましたが、電気自動車や電池の研究にも優れた業績を残した事は意外と知られていません。

彼は直流送電を標準化して直流の世界を目指しましたが、彼の夢は実現する事なく今日に至っています。

今日、太陽光発電や電気自動車の普及が高まり、エジソンの夢見た直流世界の到来も夢物語ではなくなるかもしれません。今後、リチウムイオン電池を初めとした色々な二次電池が広く普及する事により、原子力発電に代わる電力の分散化が起こる可能性があります。このページではこのような電力分散化を実現するために必要な電池の話を分り易く説明していきます。

 1. 電池の概要            8. リチウムイオン電池とリチウムイオンポリマー電池の違い

  ・電池の歴史           9. 充電特性(定電流定電圧 パルス充電)に関して 

  ・電池と社会           10. 放電特性に関して 

  ・電池の種類           11. 電池保護回路(BMS)

 2. 一次電池と二次電池とは      12. セルバランスに関して

 3. 各種蓄電池の性能比較       13. リチウムイオン電池を上手に使う方法   

 4. リチウムイオン電池の特性     14. 残量管理

 5. リチウムイオン電池の種類     15. リチウムイオン電池の回収に関して

 6. リチウム二次電池の用途      16. リチウムイオン電池の適用用途

 7. リチウムイオン電池の原理としくみ 17. リチウムイオン電池の価格に関して

 

昨今、携帯電子機器などの普及に伴い、繰り返し使える二次電池が注目を浴びていますが、その中心的存在はやはりリチウムイオン電池です。この画期的な電池が、どのような技術の流れで生み出されたのか、そしてその過程の中で技術的な課題などをどのように克服して今日の実用化に至ったのか。ここでは、最新のリチウムイオン電池の開発にいたるまでの歴史について少し触れたいと思います。

これまで色々なタイプの電池が開発されてきました。マンガン乾電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池などがその代表的なもので、表1はこれらの電池とリチウムイオン電池の開発の流れを表しています。これを見ても分かる様に、リチウムイオン電池は非常に新しい電池であると言えます。

世界最古の電池は、今から約2000年前に製造されたといわれるバグダット電池とされていますが、科学史上の最初の電池は、1800年にボルタが発明した電池です。電圧の単位で用いられるV(ボルト)は彼の名から取ったものです。

その後、電極や電解液に様々な改良が加えられ、1865年のルクランシェ電池、その20年後のガスナー電池によって、現在の乾電池の原型が完成されました。

これら一次電池以外にも、充放電可能な二次電池にも長い開発・改良の歴史があります。主に自動車用のバッテリーとして使用されている鉛蓄電池は、1859年のプランテの電池をもとにし、その後様々な改良が加えられて1900年頃に実用化されました。また、ニッケルカドミウム蓄電池に関しては、1899年のユングナーの発明をもとにして、電池の完全密閉化に色々な改良がなされ、1950年頃に実用化されました。

また、ニッケルカドミウム蓄電池に関しては、1899年のユングナーの発明をもとにして、電池の完全密閉化に色々な改良がなされ、1950年頃に実用化されました。その一方、高性能なリチウム一次電池に関する開発は比較的新しいものです。 1958年のハリスの有機電解質に関する論文が注目され、アメリカが実用化に向けた研究開発を始めました。そしてアメリカでは主に宇宙航空・軍事用に、そして日本では民生用に開発され、1970年代前半に実用化されました。

そして、このリチウム一次電池を再充電して繰り返し使いたい、という期待のもと、リチウム二次電池の開発がスタートしました。そして急速に実用化が進んでいます。このように比較的短期間で開発から実用化まで進んだ理由の一つとして挙げられるのが、高エネルギー密度の新しいエネルギー貯蔵媒体に対する市場の需要が急激に高まったこと。これは技術の進歩に伴い、当然の流れといえます。そしてそれ以上に電極、及び電池周辺素材の開発が急速に進められたことが大きいと言えるでしょう。

 

世界各地で多発した公害問題に端を発して、1972年「第1回国連人間環境会議」がスウェーデンのストックホルムで開催されてから、「持続可能な社会システム」への取り組みは1992年の「環境と開発に関する国連会議(リオ・サミット)」、1997年の「第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖防止京都会議、COP3)」、そして2002年「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)と継承されてきました。「環境、経済、人間社会」の3要素のバランスの取れた社会を世界全体で目指していこうと訴え続けてきたのです。

化石燃料に依存した社会活動が将来にわたって持続できないことは周知の事実であり、持続可能な社会へ向けた取り組みであるエネルギー変革は、各国でいかに短期間に実現できるかも大きな問題と言われています。

環境問題に対する意識がますます高まる中、地球の生命力を保全し、再生不可能な資源の消費を最小限に食い止める国家的枠組みの策定を求める動きとともに、風力、潮力、太陽、地熱といった豊富な再生可能資源を積極的に取り入れる環境ビジネスが注目を集めています。中でも、太陽エネルギーは、地表に届くまでにも1/3がなくなりますが、それでも100%活用できれば、全世界の1年分のエネルギーを数時間で集められます。しかし、太陽光発電は、夜のために昼間に発電した電力を蓄えておく必要があり、二次電池による大電力蓄電技術が注目されています。

また、風力発電は、風の有無による発電量の変動が頻繁に起こります。このような電力発電の平準化には、瞬時に充放電が出来る電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ、瞬時に充放電は出来ないが、リチウムイオンキャパシタより大電力を蓄電出来るリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池の活用が注目されています。

化学電池:金属化合物などの化学反応を利用して電気を取り出す電池

 

「一次電池」とはひとことで言うと、使い切りの充電できない電池の事を指します。通常、中から取り出せる電気を全て使い切ってしまうと、充電し直して再び電気を蓄える事ができないので捨てられてしまいます。私たちにとって身近な「アルカリ乾電池」や「マンガン乾電池」なども「一次電池」に含まれ、それらの代表格と言えるでしょう。

一次電池にも色んな種類があり、1942年のJIS規格制定以来「単1」や「単3」と呼ばれてきた代表格電池の「マンガン乾電池」や「アルカリ乾電池」、それに次いでよく見かける形が小さくなった「ボタン電池」や「コイン電池」と呼ばれている二酸化マンガンリチウムイオン電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池などが存在します。

一次電池も種類によっては、実際に電圧をかけて充電すると使えるようになるものもあります。しかし、多くは液漏れや破裂の危険性があるため、一次電池は電圧が下がると破棄されます。

これに対して蓄電池や充電式電池と言われる、充電を行うことにより再び電気を蓄えて電池として繰り返し使える化学反応電池を「二次電池」と言います。

一次電池と二次電池の大きな違いは、一次電池は時間とともに電圧が下がっていきますが、二次電池の多くはある時間まで電圧がほぼ一定で、突然電圧が下がります。

 

二次電池の代表格は鉛蓄電池です。

従来、充放電可能な電池としては100年以上の歴史がある鉛蓄電池が代表的なものでした。現在でも自動車用をはじめ、無停電電源等に広く使われています。容積が大きく、重いこと、さらに、低温特性が悪いことなどの短所があるにもかかわらず、大量に使用されているのは、容量当たりのコストが他の二次電池に対して、圧倒的に安いことと、大電流放電が可能なためです。

近年登場した新しい二次電池としては、ニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などがあり、それぞれ特徴を持っていましたが、趨勢としてはリチウムイオン電池に収束されていく方向にあるように見えます。

その後、似たような特性を有するニッケル水素電池が登場し、1990年代には現在主流となっているリチウムイオン電池が登場しました。

ニッケル水素電池はニッカド電池に似た特性を有するものとして登場し、ニッカド電池で大きな問題となっているメモリー効果は、ニッケル水素電池においては、一度、深放電させれば解消するといわれており、容積容量密度はリチウムイオン電池と同等であり、かつリチウムイオンより安価であることから、ノートパソコンの廉価版等に多量に使用されました。しかし、メモリー効果は程度の差はあれ実用的には問題となり、また重量容量密度が劣っている(同容量のリチウムイオン電池に比較して、重い)ため、現在はリチウムイオン電池が主流となってきています。 以下に代表的な二次電池の性能比較表を掲載しておきます。

 

 

(1)高いエネルギー密度

リチウムイオン電池はニカドやニッケル水素といった他の二次電池に比べて体積エネルギー密度が高く、同じエネルギー量をニカド電池やニッケル水素電池の約半分のスペースに蓄えておく事が可能です。また重量エネルギー密度的にもニッカド電池の約1/3、ニッケル水素電池の半分の重さで同じエネルギーを放出する事ができます。

(2)高いエネルギー容量

一般的なリチウムイオン電池の常識を超える最大240Ahなどの強力なセルがあり、従来の小型のものに加えて、大型蓄電システムや電気自動車まで幅広く対応できます。

(3)高い充放電特性

リチウムイオン電池は本来高出力を必要とするものには不向きとされていましたが、最近の産業用リチウムイオン電池では大容量を確保した上で5C放電も可能なものまで登場しています。さらに充電も2Cで行えるものあるので使える用途がさらに広がったと言えます。

(4)高い動作電圧

リチウムイオン電池の動作電圧は3.7Vです。ニカド電池やニッケル水素の約3倍の高電圧が得られます。すなわち、少ないセル数で今までの電圧に対応する事ができます。

 

 

(5)高い安全性

リチウムイオン電池は危険というイメージが以前はありましたが、近年ではほぼ全てのリチウムイオン電池にBMSと言われる保護回路が設置されており、このBMSを通じて過充電、過放電はもちろん温度管理もされています。特に産業用のリチウムイオン電池の場合、小型のものに比べて容量が大きい事もありBMSで各ユニットのセルバランスまで調整してくれるものもあります。またリチウムイオンポリマー電池においては電解質に液体ではなくゲル状のポリマーを利用しているので液漏れの心配がほぼ解消されたと言えます。

(6)保存特性の良さ

リチウムイオン電池の一月あたりの自己放電率は5%程度で、ニカド電池やニッケル水素電池の自己放電率と比較した際1/5以下に押さえられます。数ヶ月間そのままにしておいてもほぼ同じ量のエネルギーを取り出す事ができます。

(7)優れたサイクル特性

優れたサイクル特性で充放電を何度も繰り返していただけます。DOD(放電深度)80%で約1500回、DOD50%で約3000~4000回のご使用が可能です。

(8)メモリー効果がない

従来のニカド電池やニッケル水素電池の場合、浅い充電を繰り返すと電池そのものの放電容量が下がると言われていましたが、リチウムイオン電池にメモリー効果は全くありません。よって継ぎ足し充電などが可能であり、従来のニカド電池やニッケル水素電池のように放電機は必要ありません。

 

 

大きく分けて「円筒型」と、鉄製とアルミ製がある「角型」と「ラミネート型」があります。

(A)円筒型

        円筒型は鉄缶が一般的で缶が            

       (-)極になります。低コス 

        ト、かつ同体積で最も高容量 

        になり、外形の寸法も安定し  

        ています。しかし、多数のセ 

        ルを組み合わせた場合は隙間

        ができ、エネルギー密度が小         

        さくなるという欠点がありま  

        す。

(B)ラミネート型

        正極、セパレータ、負極を平       

        面状に重ねた構造になってい    

        て、放熱性や実装密度で円筒

        型より有利と言われている。

        缶タイプに比べるとサイズの        

        自由度が大きく、比較的に簡

        単に異なる電池容量を製作が 

        可能である。短所としてはセ

        ルを保護するラミネートの強

        度が弱いことから外圧や振動

        に弱く、複数のセルをケーシ    

        ングする場合に注意する必要

        があります。      

(C)角型(鉄製、アルミ製)

         缶は軽量化のためにアルミ 

         缶を用いるのが主流で、こ

         の場合鉄缶とは逆に缶が

        (+)極になります。特徴と

         しては、薄い電池が可能に

         なりますが、問題点とし  

         て、充放電サイクルや高温

         保存で缶の厚さが厚くなっ

         ていくことです。例えば、

         100サイクル充放電するこ   

         とで10%程度の厚さは変

         化するものもあるようで、  

         セットの設計時はそれを念

         頭にいれて隙間を持たせて

         おく必要があります。頑丈    

         なアルミ缶に保護されてい

         るので、複数のセルをケー

         シングする場合に簡単にで

         きる事が利点でもある。        

負極材として使われているのは、炭素(カーボン)材ですが、いずれも構造がことなる球晶の人造黒鉛(グラファイト)やコークスです。近来は、高容量が得られて、低温での特性に優れたグラファイトがメインに使われております。コークス系は、放電による電圧の変化が大きいため、電圧で制御する残量管理がやりやすい特徴があります。、鉄製とアルミ製がある「角型」と「ラミネート型」があります。

 

リチウムイオン電池の反応は模式的に示すとのようになります。電池を充電すると、正極の中のリチウムイオンが引き抜かれ、電解液中を移動して負極の中に吸収されます。電池を放電すると、逆に負極からリチウムイオンが放出され、正極に入ります。この時、外部に電気エネルギーが取り出され。正極、負極とも、層状物質の層間をリチウムイオンが出入りするだけであり、それぞれの物質の基本的な構造は変わりません。このような反応メカニズムから、リチウムイオン電池と呼ばれるようになりました。

 

特徴としては、公称電圧が3.7Vと高く、リチウム水素電池よりはるかに大容量で、自己放電特性がよくメモリ効果がないなど優れた特性を持っています。欠点としては、過充電・過放電に弱い、保存性が悪い、破壊したときの危険が大きいなどが上げられます。特に、破壊したときの危険性への対応としてリチウムポリマー二次電池が開発されました。電解質を液体の有機溶媒からゲル状や固体ポリマー電解質に変更したものです。破壊しても電極の短絡に至る可能性が低く、例え短絡しても簡単に炎上しないところが強みです。さらに、外容器にアルミのラミネート材を使用でき、大幅コストダウンとエネルギー密度の向上が期待されます。

 

 

リチウムイオンポリマー電池とは、リチウムイオン電池の電解質にゲル状のポリマー(高分子)を利用した二次電池のことを言います。

リチウムイオン電池は、液体有機電解質を使用しているため、小型・軽量・薄型化には様々な制約があります。液体電解質が外部へ液漏れしたり、電池外部から水分が流入して液体電解質が変質したりしないように、金属缶を使用して密閉する必要性が出てきます。そのため、電池蓋の封口部分、ガスケット、シーラントなどには、様々な工夫が施されており、小型化・薄型化には限界があります。また、電池容器である鉄缶あるいはアルミ缶の重さも無視できないという欠点もあります。

 

 

しかし、リチウムイオンポリマー電池は、リチウムイオン電池の液体電解質の代わりに液体の電解質をポリマー内に固着させたポリマー電解質を使用しているため、液漏れの心配が少なく、電池容器としてアルミラミネートフィルムを使用することで、厚さ1mm程度の非常に薄い形状の電池や箱型以外の任意の形状の電池を作れるようになりました。その結果、単位体積あたりに蓄えられるエネルギーの量が約1.5倍となり、同じ容積なら駆動の長時間化、同じ駆動時間なら小型軽量化が可能になりました。

ただし、液体電解質の代わりにゲル状のポリマー電解質を使用しているため、一般的にはリチウムイオン伝導度がリチウムイオン電池より遅く、充電時間が長いという特徴も有しています。

 

大量の電気エネルギーを蓄えるリチウムイオン電池は充電方法を誤ると事故が起こるため正しい充電を行うよう厳しく指導されています。一般的には、電圧はセルあたり最大4.2V、電流は1C以下とされています。1Cとは公称容量の値を有する電池セルを定電流放置して1時間で放電終了する電流値のことです。

リチウムイオン電池は通常、定電流/定電圧方式で充電されます。ニッケルカドミウム蓄電池などにおいてはdT/dt制御方式、絶対温度制御方式、-⊿V方式などが一般的ですが、リチウムイオン電池の充電特性にはこれらの制御方式は適していません。また、過充電状態になると不可逆な電解液分解反応が起こるため、トリクル充電も行うことができません。

 

 

定電流/定電圧方式では、まず定電流によりあらかじめ設定された上限電圧まで充電が行われ、その後その電圧に保持されます。定電圧モードに入ると電流値は減衰するので、一定の収束電流値になった時点もしくは一定時間経過後に充電は終了となります。

充電容量の曲線から分かるように満充電になるには2~3時間が必要で、初期の1時間でも約90%の充電がなされることが分かります。電池の形状に関係なく、充電特性は基本的に類似していますが、電池の形式により若干異なり、温度の影響を受けます。また、同じ電池であってもサイクルの履歴により変化することもあります。

近来、急速充電したいという要望が強く、それに答えてパルス充電法が開発されました。この方式では定電流充電により所定の電圧に達した後、パルス電流により充電が継続されます。定電流/定電圧方式で充電時間が長くかかるのは、電圧が上昇したときに電流値を小さくしていくからです。しかし、パルス充電法では、セル電圧がごく短時間だけ所定の電圧を越えることを認め、セル電圧を細かくモニターすることで、過充電を防止します。つまり、パルス方式では充電電流値が大きくできるため、満充電までは約1.5時間短縮できます。

 

横軸は放電容量、縦軸はセル電圧とし、放電温度は一定で、放電電流の大きさ(Cレートと言います)をパラメータとしたグラフです。 以下のグラフは、放電温度25℃において、放電レートを0.3Cから8Cに変化させた時のグラフです。 1Cとは公称容量を有するセルを定電流放電して、ちょうど1時間で放電終了となる電流値の事で、例えば40Ahの公称容量値のセルでは1C=40Aです。 40Ahの公称容量値の容量を有するセルを2Cで放電すると、30分で放電が終了するという意味です。

電池特性は電流の絶対値ではなく、容量値に対する相対的な大きさで決まります。 したがって、電池特性を示すにはCレート(放電レート)を使うのが一般的です。このCレートは電池の性能を判断する場合に重要な要素となり、高いCレートでも安定した放電が可能な電池程、優秀な電池と言える事ができます。

 

横軸は放電容量、縦軸はセル電圧とし、放電電流は一定で、放電中の環境温度をパラメータとしたグラフです。これを見ても判るように、放電曲線は温度依存性が強く、低温になるにしたがって放電電圧が低下します。電池が「生きもの」であると言われる由縁はこの温度特性に現れています。同じ新品の電池でも夏場と冬場では電池の持ちが異なるのも、この温度特性による事が多いです。一般的なリチウムイオン電池は-20℃においても十分な容量が得られますが、充電に関しては基本的に零度以上で行うので注意が必要です

 

充放電が可能な二次電池は充放電を繰り返せば、当然、劣化していきます。劣化していく主な原因は充放電サイクルにより、セルの内部抵抗も増大していくためです。内部抵抗が増大すると電池容量はもちろん、放電レートや温度特性も低下するようになります。

グラフは横軸に電池のサイクル回数、縦軸に電池容量とし、放電深度(DOD)の違いによりサイクル特性の変化を表したものです。これを見ると判るように、電池のサイクル特性は電池の放電深度、つまり満充電状態からどの程度の深さで放電を繰り返したのかにより左右されることが分かります。リチウムイオン電池の特徴として、深い放電を繰り返すよりも、60%程度の浅い放電を繰返したほうがサイクル特性を高める事ができます。

 

リチウムイオン電池の放電特性

 

リチウムイオン電池の放電特性

 

リチウムイオン電池のサイクル特性

 

 

リチウムイオン電池はその内部に安全を確保するためにバッテリー外部にBMSを使用します。BMSの主な機能は以下の3つです。

(1)過充電を防ぐ

(2)過放電を防ぐ

(3)過電流を防ぐ

(4)セルの温度上昇を管理する

(5)セル電圧の均等化(セルバランス)

 

 

 

 

特にセルバンスの方法に関しては、次の項目で紹介するように色々な方式があります。 特に大型セルの場合は、セルバランスの調整が難しいので、BMSの性能によって電池パッケージの性能に差が出てきます。 また、上位システムとの通信方法に関しても、CAN通信やRS232C通信など、色々な種類に分かれています。

 

 

リチウムイオン電池に限らず、一般的に全ての電池には自己放電が発生し、これを完全に食い止めることはできません。とは言え、リチウムイオン電池の自己放電は他の二次電池に比べると非常に小さく電力を蓄えておくのに適していると言えます。

問題はこの自己放電率が各々のセルによって微妙に異なってくるところにあり、セルそれぞれの電圧に差異が生じてくるところにあります。短期間ではさほど大きな違いは見えてきませんが、時間が経てば立つほどセル間の電圧の違いは顕著に表れてきます。このセル同士の電圧における違いが問題につながる場合も多いため、セルバランス補正が通常は行われます。

 

 

電圧に敏感なリチウムイオン電池にとってこのセルバランス対策は非常に重要な問題になってきます。特に40Ah以上の大型セルでは、セル間のギャップを補正する事が容易ではありません。

メーカー側の対策としては、エージング(電池を充電)した後に2~3週間程度保管してから電池の自己放電率を調べます。問題のある電池は自己放電率が大きいので、この時点で排除する事により、品質を安定させる作業をしています。保管する時間を長くするほど精度が高まりますが、この工程にあまり時間を掛け過ぎると生産性が落ちるので、メーカー側も苦労しています。

 

 

セルバランを補正する方法としては、以下のような方法があります。

 

①モジュール内のセルで一番、電圧の低いセルを基準にして、そのセル電圧に各セルが到達するまで熱消費をさせて、最も低いセル電圧に合わせる方法です。熱消費させる方法としては一般的にBMS(電池保護回路)に抵抗を付けて、そこにセル間の電流を流して消費させるものです

 

②モジュール内のセルで高い電圧と、低い電圧を互いに補完させるようにして電圧を調節する方法です。コンデンサのような電気を1次的に蓄電できるようにして、各セル間の山と谷の部分が無くなるように調整していきます。

③上記のような方法だと大型電池の場合は、完全にセルバランスが完了するまで時間が掛かってしまう事と、セルバランス後の電圧が低くなってしまう欠点があり、最近では充電時に個別のセル毎に充電してしまう方法も出てきました。小さいな充電器がセル毎に個別に充電するので、モジュール自体は大きくなってしまいますが、確実にセルバランスができるのと、各セル毎に充電管理ができるので、新しい充電方法として注目されています。

 

 

PC、デジカメ、iPhoneなど、最近身近でリチウムイオン電池をよく見かけるようになりました。しかし、電池は今でも世界で様々な研究・開発により発達しているにも関わらず、それらの電池の使い方に人が追いついていない印象をよく受けます。特に、最近話題のリチウムイオン電池とリチウムイオンポリマー電池は、今までの電池とは違う色んな特徴を持っています。リチウム二次電池の場合、使い方によっては寿命が2倍にも3倍にもなりますので、お役に立てたら幸いです。

まず、一番勘違いしやすく、二次電池の寿命に致命的に影響することとしては、「バッテリーを使い切って空にしてから充電した方が良い」という従来の電池の使い方からきている固定観念です。かつて主流だったニカド電池や、ニッケル水素電池では、中途半端な残量で充電を繰り返すと劣化が早まりました。しかし、現在ノートPCや携帯電話やデジタルカメラなどで使われているリチウムイオン電池は違います。むしろ、完全にその逆です。リチウム二次電池の場合、使い切らずに、ある程度残量が残っている状態で充電を繰り返した方が劣化を防ぎます。例えば、弊社のリチウムイオンポリマー電池の場合、DOD(Depth Of Discharge)80%の充放電において約2000サイクル、50%において約4000サイクルのサイクル特性を持っています。30%の残量の差があるだけで2倍長持ちできると言うことになります。さらに、ここで最も注意すべきことは、完全に放電させた状態で充電をせずにほったらかしにしておくとリチウム二次電池の場合使えなくなるということです。弊社の場合、完全放電後1ヶ月以内には必ず充電を行うことを前提に販売させていただいています。

次に、「バッテリーを長期間使用しないときは、低温で保管した方が良い」という話もよく耳にします。高温状態で劣化が急速に進むのは事実です。しかし、そうだからと言って必ず低温で保管した方が良いとは言えません。どの程度の低温なのかにもよりますが、弊社のリチウムイオンポリマー電池で例えますと0℃~60℃までの範囲では温度による電圧の変化はほとんどありません。ただし、0℃以下となると低温になればなるほど電圧が下がっていきます。つまり、常温では電池の性能の変化がほとんどないことから正常な状態が保たれているとも言えます。従来のニカド電池や、ニッケル水素電池の場合はメモリ効果があり、常温でほっとくと自然放電され、時間が経つにつれて自然放電される分バッテリーの寿命が短くなりました。しかし、リチウム二次電池の場合、メモリ効果はほとんどないので、常温でほっといても電池の寿命にはほとんど影響しません。つまり、低温で保存しても、常温で保存しても変わらないということです。ですので、長期保管の際には常温で、湿気のない安全な場所に保管してください。

また、「バッテリーを長期間使用しないときは、フル充電してから保管した方が良い」という話もあります。上記のようにリチウム二次電池にはメモリ効果がほとんどないので、フル充電しておかなくても特に問題ありません。むしろ、フル充電状態は過充電状態に近いため、劣化の原因になります。つまり、リチウム二次電池は長期保管のためにわざわざフル充電する必要はありません。しかし、放電し切って放置しておくと過放電状態になりそれも劣化の原因になるので、月に1回、半分ほど充電しながら長期保存することをお勧めします。

 

正確に電池の残量を測るためには電池パックの流入と流出電流を積分する必要があります。ただしサイクル劣化や温度での変化があるため、充放電サイクル回数

充放電サイクル回数を数え、それに応じて電池の満充電両を減少させていくと、電池パック内の温度を測定し、低温側では満充電容量を減少する事などを行ないます。

 

 

当然これらはマイコンを使用して制御することになります。さらに完全放電後に満充電を行うと、その時点での電池パック容量値を学習し、データを書き換えることも可能です。

 

リチウムイオン電池を回収する理由は二つあります。一つは有害物質の拡散防止であり、もう一つは資源の再利用です。

リチウムイオン電池に限っては水銀やカドミウム、鉛や硫酸といった禁止されている物質は使われておりません。よってリチウムイオン電池の主な回収目的は資源の再利用になり、特に陽極に使われていることがあるコバルトの稀少価値が高いとされています。

 

日本においては電気店などの前に設置されている回収ようのボックスにいれることで専門の処理業者へ引き渡すことができるようになっており、これは電池工業会と国内電池メーカーが中心となって作ったJBRCが行っている事業になります。

米国ではRBRCという独自の機関があるみたいです。また表示に関しても海外では少々日本と事情が異なり、リチウムイオン電池の場合、表示が必要な国と必要ではない国があります。例えば、EU圏の場合だとオランダは表示が義務付けられていますが、その他の諸国では表示が義務付けられていません。

 

 

これまで携帯電話、ノートパソコン、電動工具等、様々なものに使われてきたリチウムイオン電池ですが、最近は家庭用や電気自動車など電池容量も大型化してきました。
今後は更に大容量のリチウムイオン電池が使われていく傾向にあります

リチウムイオン電池の価格を考える時にセル、モジュール、蓄電池システムの分類によって大きく異なるので注意が必要です。一般的にセルとは電気を蓄電する本体部分を意味します。

セルが複数接続された状態にBMS(電池保護回路)を含めたものをモジュールと言い、更に充電器やインバータ、PCSを含めた総合的なものを蓄電池システムと考えます。

 

リチウムイオン電池の価格を検討する場合にkWh当たりの価格で考える場合が多々ありますが、セル、モジュール、蓄電池システムのどの部分で考えているのか注意が必要です。

上記の表はNEDOがまとめた定置用二次電池のロードマップですが、蓄電池システム全体での価格を表記しています。

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